一時期、サバ缶やイワシ缶がブームになりました。とくに2016年にサバ缶の生産量がツナ缶を抜いたことは大きな話題になりましたね。

すると「魚は缶詰でも栄養があるんですか?」と、ご質問を受けるように。実際、栄養面はどうなのでしょうか?

魚は、缶詰でも栄養はとれる!

魚の缶詰ブームによって、今や身近な存在になった魚缶。現代人は魚の摂取量が減っているため、私は栄養指導で手軽に魚を摂取できる缶詰をおすすめしています。

すると、「缶詰でも栄養はとれるんですか?」と聞かれることがあります。

缶詰でも、栄養価は生の魚とほとんど変わりません。

むしろ缶詰の方が多くとれる栄養もあるため、栄養面の心配はありません。

たとえばサバ缶で話題になったのが、DHAとEPAです。

以前、「魚を食べると頭が良くなる」といわれたことがありましたが、DHAは脳や神経の材料となり、記憶力や集中力に影響を与える成分です。一方、EPAは血液をサラサラにする作用があり、動脈硬化予防が期待できる成分になります。

DHA(㎎) EPA(㎎)
まさば(生魚)690970
サバ缶(水煮)9301,300

※100g中

生のサバと比べると、DHAやEPAは缶詰のほうが多いほどです。

魚缶は、カルシウムが40倍!?

魚缶ならではの大きなメリットは、骨まで食べられることです。

つまり、カルシウムがよりとれるというのがメリットになります。

生(㎎)缶詰(㎎)
イワシ74320(水煮)
サンマ26280(味付け缶)
サバ6(まさば)260(水煮)

※100g中

生の魚と比べると、イワシ缶なら4倍以上、サンマ缶なら10倍以上、そしてサバ缶であればなんと40倍以上にもなります!

よって、牛乳が苦手なお子さんなどには、牛乳の代わりに魚缶を積極的に料理に使うというのもいいですね。

サバ缶は挽き肉代わりに使える

女性にとってカルシウムと鉄分は大切な栄養素です。

よって牛乳も豆乳もバランスよく活用するのがおすすめですが、いいとこどりをするなら、ミックスをして料理に使ってみましょう!

魚缶は、味がついているものであればそのままいただけますが、調理をするのであれば、使い勝手がよいのはサバの水煮缶ではないでしょうか?

なぜなら、サバ缶はほぐすとひき肉代わりに使えるからです。

たとえば、ミートソースを作るとき、挽き肉の代わりにサバの水煮缶をほぐして使ってもおいしく作れます。また、ドライカレーなどでも、挽き肉の代用として使えます。 魚料理のレパートリーが少ないことで、魚の摂取が少ない方がたくさんいらっしゃいます。

ぜひそういう方に、挽き肉の代用としてサバ缶をおすすめしてあげてください。

まとめ

生の魚と比べ、魚の缶詰だと栄養が劣るというイメージがあるかもしれません。でも実際は、同レベルの栄養価が含まれています。とくに魚缶は骨まで食べられるので、生魚と比べるとカルシウムがとりやすいというメリットも。

たとえば生のサバと水煮缶詰で比べると、缶詰の方がカルシウムを40倍以上も多くとることができます。

またサバの水煮缶に関しては、挽き肉代わりに使えるのも特長です。

年末年始はチキンやローストビーフ、すき焼きなどのお肉を食べる機会が増えるはず。

そのまま食べてもおいしく、調理してもおいしい魚の缶詰を使いこなして、魚もしっかり食べたいものですね。

・日本食品標準成分表2015年版(七訂)

参考

管理栄養士
長 有里子

sazukaru代表。管理栄養士。 39歳で体外受精を経験し、40歳で第一子を出産。自身の経験から、不妊治療をされている方に向けた「授かるごはん」講座を主宰する。 人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴をもち、現在は雑誌やサイトの栄養監修なども手掛ける。

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