この季節、風邪をひかないよう気を付けている方はたくさんいらっしゃると思いますが、風邪をひいたら「お粥が良い」というイメージはありませんか?

では、なぜ風邪のときはお粥が良いといわれるのでしょうか?

目次

風邪をひいたときのお粥の食べ方

体調不良のときは自然と食欲がなくなるものですが、「体力をつけるために食べなきゃ!」と思っていませんか? もしそう思っているのなら、無理して食べなくても大丈夫。

体調が良くないときに脂質(あぶら)の多いものを食べると消化に時間がかかり、胃腸への負担が大きくなります。そのため体力が低下する風邪のときには、エネルギーを補給しつつも脂質が少ない食べ物がおすすめ。その点、お粥はカロリーがありつつも低脂質のおすすめの食べ物になります。

ただ、米の食感を残したお粥はよく噛まずに食べてしまうことが多いもの。そうすると逆に胃腸に負担がかかることもあります。
よって風邪のときにお粥を食べるなら、よく煮込んだやわらかいお粥を食べたほうがよいでしょう。

お粥のカロリーは?

お粥はカロリーが低い食べ物です。
たとえば、全粥(米1に対して水5の割合)のカロリーは100gで65kcal。また五分粥(米1に対して水10の割合)は33 kcalです。
普通のご飯は156kcalなので、全粥ではご飯の4割程度のカロリーしかありません。

なので風邪でつらいときにお粥を食べることは良いですが、体力が回復し出したら栄養不足にならないよう、体調をみながらバランス良く食事をとれるようにしましょう。

七草粥の意味

七草粥は、お正月が終わった1月7日に食べる色々な葉の入ったお粥です。では、なぜこの日に七草を入れた粥を食べるのかご存知ですか?

1年に5回存在する季節の節目のことを節句といいます。

・1月7日(人日)
・3月3日(上巳)
・5月5日(端午)
・7月7日(七夕)
・9月9日(重陽)

はるか昔の唐の時代、1月7日の人日の日には、七種類の野菜が入った汁を食べて、無病息災を願いました。それが日本に伝わり、「若菜摘み」という日本の風習などと合わさり、七草粥を食べる文化が確立されていったといわれています。

春の七草を全て言えますか?

「せり・なずな」「ごぎょう・はこべら」「ほとけのざ」「すずな・すずしろ」「春の七草」と、5・7・5・7・7のリズムに合わせて覚えると頭に入りやすいですよ。

まとめ

風邪をひいたらお粥を食べると良いといわれるのは、胃腸に負担のかかる脂質が少ないからです。無駄な体力を消費しにくいお粥は、体にやさしく、体力を回復させるのに最適です。
ただ、米粒の食感が残ったお粥は噛まずに食べてしまいがち。すると逆に胃腸に負担がかかることもあるため、よく煮込んだやわらかいお粥がおすすめです。

ただ、お粥だけの食事が続くとカロリー不足などにおちいることも。体調が良くなったら栄養バランスも考えた食事をとるようにしましょう。

来月の7日は七草粥を食べる人日の節句があります。食育の観点からもこのような文化を大切にしたいですね。


管理栄養士
長 有里子

sazukaru代表。管理栄養士。 39歳で体外受精を経験し、40歳で第一子を出産。自身の経験から、不妊治療をされている方に向けた「授かるごはん」講座を主宰する。 人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴をもち、現在は雑誌やサイトの栄養監修なども手掛ける。

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