新型コロナウイルスで外出自粛が続いていますが、例年であればこの時期が潮干狩りのハイシーズン。

あさりがおいしい時期です!

身近な食材でもあるあさりの栄養を知って、よりおいしく健康的にいただきましょう。

「貝」×「酢」で、カルシウム3倍に!

あさりを使った料理といえば、やはりまず味噌汁が一番でしょう。

このあさりの味噌汁にひと工夫をすると、カルシウム量がなんと3倍に

その方法とは、酢を加えることです

あさりの味噌汁を作るとき、普通は水とあさりを入れて煮ますよね。そのとき、水と一緒に酢を入れて煮出すと、貝からカルシウムが溶けだすのです。

作り方の目安はこちら。

・水200mlに対して、酢は小さじ1.5杯入れる。

・弱火で8分間加熱する。

このような作り方をすると、酢を入れなかったときと比べ、3倍以上のカルシウムが溶け出るとされています(東京農業大学名誉教授 小泉幸道氏の調査より)。
ポイントとしては、仕上げに酢を入れてもカルシウムの溶出は期待できないので、最初から入れておくこと。

「でも、酸っぱくなるんじゃない?」と気になるかもしれませんが、ご心配なく。

この割合の酢の量であれば、酸味はほとんど感じません。また、酢を入れることによってコクが出るというメリットも

日本人は男女ともにカルシウムが不足しているため、手軽にカルシウム補給ができるこの方法はおすすめです。

あさりだけでなく、シジミの味噌汁でも応用できます。

あさりの鉄分はほうれん草より上

あさりの栄養として女性に嬉しいのは、貧血予防になる鉄分が豊富ということ。

鉄分が多い食材というとほうれん草が代表的ですが、あさりの鉄分はほうれん草の約2倍含まれます。

そして貧血予防には鉄分だけではなく、ビタミンB12という成分も合わせてとりたいのですが、このビタミンもあさりには豊富に含まれるのです。

鉄分(mg)ビタミンB12(μg)
あさり3.852.4
ほうれん草2.0

(数値は100g中)

鉄分が不足しやすい女性や、成長期で鉄分がより必要になるお子さんには、あさりはとくにおすすめです。

あさりの味噌汁をリメイク

普段の食事作りは、なるべく楽をしたいもの。そんなときはあさりの味噌汁をリメイクするのもひとつの工夫になります。

・あさりの味噌汁+コチュジャン+にんにく+ごま油など=チゲスープ風
・あさりの味噌汁+牛乳+バターなど=クラムチャウダー風
・あさりの味噌汁+ご飯+ねぎなど=雑炊

朝食では味噌汁をいただき、昼食や夕食でリメイクをすれば、食事作りの負担が減りますよ。

まとめ

あさりの味噌汁のカルシウム量を大幅にアップさせる方法は、酢を入れること。
酢を加えて煮出すと貝殻からカルシウムが溶けだし、カルシウムの量は3倍にもなります!

味が気になるところかもしれませんが、酸っぱさは気にならず、逆にコクが増しておいしく感じるはず。

また、あさりには貧血予防に有効な鉄分やビタミンB 12が豊富なのも特徴です。

おいしさだけでなく栄養面でも優秀なあさりを、今がおいしいこの時期に積極的にいただきましょう。

(参考)

日本食品標準成分表2015年版(七訂)

・平成30年国民健康・栄養調査

https://www.mhlw.go.jp/content/000615343.pdf


管理栄養士
長 有里子

sazukaru代表。管理栄養士。 39歳で体外受精を経験し、40歳で第一子を出産。自身の経験から、不妊治療をされている方に向けた「授かるごはん」講座を主宰する。 人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴をもち、現在は雑誌やサイトの栄養監修なども手掛ける。

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