牛乳と豆乳は食生活の中でおなじみの食材ですよね。


このふたつは見た目が白く、よく似ています。では、栄養も似ているのでしょうか?

牛乳と豆乳の栄養比較

栄養指導をしていると「豆乳を飲んでいるから、カルシウムはとれています」という方がいらっしゃいます。

これは、牛乳と豆乳の見た目が似ているので、栄養成分も同じだと思われているからのようですが、それは間違い。

豆乳にはほとんどカルシウムは含まれません。

牛乳と豆乳のカルシウム量を比べると、牛乳が110㎎に対して豆乳は15㎎(100g中)と、格段に牛乳のほうが多いのです。

一方、豆乳に多く、牛乳に少ない成分は鉄分になります。豆乳には鉄分が1.2㎎含まれますが、牛乳は0.02㎎(100g中)とわずかな量になります。

【100g中に含まれる栄養素の量】

牛乳豆乳
カルシウム(㎎)11015
鉄(㎎)0.021.2

豆乳ならどれでも鉄分がとれるわけではない

たとえば、豆乳をコップ一杯(200ml)とると、一日の鉄分の23%(*)をとることができるので、効率が良いといえるでしょう。
*20-40代の女性に対する値

ただ、豆乳には3種類あり、ほとんど鉄分がとれない種類もあります。

・無調整豆乳…豆乳に水以外のものを加えていないもの。

・調製豆乳…豆乳に砂糖や塩、油脂、香料などを加えて飲みやすくしたもの。

・豆乳飲料…調整豆乳に果汁やコーヒーなどを加えたもの。

無調整豆乳と調製豆乳は100g中1.2㎎の鉄分が含まれますが、豆乳飲料は0.3㎎。つまり豆乳飲料にはほとんど含まれないということになります。

豆乳飲料は飲みやすいのがメリットですが、残念ながら鉄分は少ないと知っておきましょう。

豆乳と牛乳、いいとこどりをするには?

女性にとってカルシウムと鉄分は大切な栄養素です。
よって牛乳も豆乳もバランスよく活用するのがおすすめですが、いいとこどりをするなら、ミックスをして料理に使ってみましょう!

牛乳と豆乳を1:1で料理に使うのがおすすめです。とくに無調整豆乳は大豆臭さが苦手だという方がいらっしゃいますが、牛乳とミックスすると臭いをほとんど感じなくなるという利点があります。

これからはシチュウや鍋料理がおいしい季節になります。ぜひ牛乳と豆乳を1:1でシチュウやグラタン、ミルク鍋などの料理に使ってみてください。

まとめ

牛乳と豆乳は見た目が白いので、どちらにもカルシウムが多いと思われている方がいらっしゃいますが、それは間違い。豆乳は、ほとんどカルシウムを含まない食品です。
一方、豆乳に多く含まれ、牛乳に少ない成分があります。それは鉄分です。

女性にとってカルシウムも鉄分も大切になります。よって、牛乳と豆乳をミックスして料理に使うと、それぞれのいいとこどりができますよ。たとえば、1:1でシチュウなどに使うのがおすすめ。

ただし、豆乳には種類が3つあり、豆乳の中でも“豆乳飲料“には鉄分がほとんど含まれないのでご注意を。

・ 日本人の食事摂取基準(2020年版)
・ 日本食品標準成分表

参考

管理栄養士
長 有里子

sazukaru代表。管理栄養士。 39歳で体外受精を経験し、40歳で第一子を出産。自身の経験から、不妊治療をされている方に向けた「授かるごはん」講座を主宰する。 人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴をもち、現在は雑誌やサイトの栄養監修なども手掛ける。

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