冬の果物といえば、みかん。昔からみかんは風邪予防に良いといわれていますが、みかんの栄養はそれだけではありません。その他のみかんパワーをご存知ですか?

みかん3個で一日分のビタミンC!

みかんが風邪予防に良いとされているのは、そのビタミンCの豊富さにあります。

たとえば一日分のビタミンCをとるなら、3-4個でクリアできるほど。

また、オレンジ色の色素成分であるβ-クリプトキサンチンには高い抗酸化力があり、これがビタミンCと組み合わさることで、脳卒中や心臓病予防にも効果を発揮するとされています。

さらに、白い筋の部分には動脈硬化予防に働くビタミンPが含まれていたり、みかんの袋には便秘改善に働くペクチンが含まれていたりと、みかんは風邪予防だけでなく子どもから大人までの健康維持に役立つフルーツだといえるでしょう。

みかんの皮に花粉症予防成分が!?

みかんを食べた後にどうしても残ってしまうのが、皮ですよね。
みかんの産地で有名な県に愛媛県がありますが、愛媛県のみかんジュース会社が廃棄物として大量に出る皮を有効活用したいと愛媛大学に相談をし、発見されたものがあります。

それが、みかんの皮に含まれるノビレチンです。

ノビレチンには、鼻水やくしゃみの原因となる物質のヒスタミンを抑える作用があり、これにより花粉症の症状が軽減されることがわかりました。

来春の花粉は全国平均で今年の2倍近い予想となっています。みかんは春先まで手に入れやすい果物なので、花粉症の方は来春までみかんを積極的に食べたいですね。

ただし、ノビレチンはほぼ皮にしか含まれていません。よって、みかんの実やみかんジュースを飲んでもノビレチンはとれないということになりますので、ご注意を。

みかんの皮のおいしい食べ方

いくらみかんの皮に有効成分が含まれるからといっても、皮には苦みやえぐみがあり、決しておいしくいただけるものではありません。

では、どうやって皮を食べればいいのでしょうか?

みかんヨーグルトジュース

皮を効率よく食べられるおすすめの食べ方は、みかんを丸ごとミキサーにかけてジュースにすることです。実と合わせることで口当たりがよくなり、苦みも気にならなくなります。

また、ヨーグルトもみかんの皮同様、ヒスタミンの放出をブロックする働きがあるため、ふたつを組み合わせるとベストです。

■材料(2人分)
みかん 250g程度(Mサイズ約3個分)
ヨーグルト 80g
はちみつ 小さじ2~

■作り方
1.ヨーグルトとはちみつをミキサーに入れる。
2.ヘタをとり、よく洗ったみかんを皮ごと3-4等分にしてミキサーに入れ、なめらかになるまで攪拌する。

みかんの皮入りきんぴらごぼう

みかんの皮は柚子などと同じく、刻んだりおろし器でおろしてトッピングとして使うことができます。例えば、サラダやしゃぶしゃぶのタレなどのトッピングにするのがおすすめ。

また、きんぴらごぼうの人参の代わりにみかんの皮を使うと、みかんの香りが鼻に抜ける爽やかなきんぴらに。とても相性が良いですよ。

まとめ

みかんにはさまざまな健康効果が確認されていますが、そのひとつに花粉症予防作用があります。
みかんに含まれるノビレチンという成分は、鼻水やくしゃみの原因物質であるヒスタミンの放出をブロックするため、花粉症の症状緩和が期待できるとされています。

ただ、ノビレチンが含まれるのは、みかんの皮。
食べにくい皮をおいしくいただくのにおすすめなのは、みかんを丸ごとミキサーにかけてジュースにすること。また、柚子のように皮を刻んで料理に使ってもおいしくいただけます。

花粉症の方は、ぜひみかんを冬だけでなく春先まで積極的に食べてみてはいかがでしょうか?

・日本食品標準成分表2015年版(七訂)

・旬の野菜の栄養事典(吉田企世子/エクスナレッジ)

産学官連携における機能性食品開発(菅原卓也)

参考

管理栄養士
長 有里子

sazukaru代表。管理栄養士。 39歳で体外受精を経験し、40歳で第一子を出産。自身の経験から、不妊治療をされている方に向けた「授かるごはん」講座を主宰する。 人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴をもち、現在は雑誌やサイトの栄養監修なども手掛ける。

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