ランチでパパっと、小腹が空いた夜食に、風邪をひいたときの食事にと、色々なシーンでおいしく食べられるのがうどんです。

とくに温かいうどんは、今の季節にぴったり。

さて温かいうどんには、きつねうどんや鍋焼きうどん、カレーうどんなど種類がさまざまありますが、骨を強くするのは何うどんでしょうか?

骨の健康に必要な3大成分は?

骨を強くする栄養素といえば、真っ先に思い浮かぶのがカルシウムでしょう。

もちろんカルシウムは骨の健康に必要な成分ですが、カルシウムだけをとっていても骨は強くなりません

つまり、牛乳を意識してとることは大切ですが、牛乳だけをとっていても残念ながら丈夫な骨は作られないのです。

骨の健康に必要な3大成分は、カルシウム・ビタミンD・ビタミンKです。

ビタミンDはカルシウムの吸収を高め、ビタミンKはカルシウムの骨への沈着を助けるという働きがあるため、これらの3つの成分をバランスよくとることが必要になります。

ただ、ビタミンDもビタミンKもあまりなじみのない成分かと思います。でも、身近な食材に含まれているんですよ。

・ビタミンD…青魚、きのこなどに多く含まれる。

・ビタミンK…緑黄色野菜や納豆などに多く含まれる。

ひっぱりうどんで骨を強く!

では、骨に大切な3大成分をすべて含んだうどんは、何うどんでしょうか?

それは、ひっぱりうどんです。

ひっぱりうどんは、山形県の郷土料理。茹でたうどんが入った鍋を皆で囲み、各自が鍋からうどんをすくい上げ、納豆とサバ缶などで作ったタレをからめて食べる家庭料理です。この”ひっぱり”という名前の由来は、鍋からうどんをひっぱり上げる、皆でうどんをひっぱり合うなど諸説あるようです。

そして、このタレに使うサバ缶にカルシウムとビタミンDが、納豆にビタミンKが豊富に含まれるのです。

かんたんに作れて体が温まり、かつ骨の健康にもよい”ひっぱりうどん”、冬のメニューのひとつとして取り入れるのがおすすめです。

ツナ缶を使うひっぱりうどんの栄養

レシピサイトを見ていると、ひっぱりうどんのレシピはサバ缶を使うものだけでなく、ツナ缶を使うもの多く見られます。

もちろんツナ缶で作るのもおいしいのですが、栄養面で考えると違いはあるのでしょうか。

サバ缶とツナ缶のカルシウムとビタミンDを比べると、大きな違いがあります(100g中)。

・サバ缶(水煮)…カルシウム260㎎、ビタミンD11.0㎍

・ツナ缶(オイル漬け)…カルシウム4㎎、ビタミンD2㎍

味はどちらもおいしいものの、栄養面を考えるとやはりサバ缶を使ったほうが良いでしょう。

まとめ

骨の健康を考えるなら、カルシウムだけを積極的にとるだけでは不十分。カルシウムに加え、ビタミンDとビタミンKも大切です。

この3つの成分を豊富に含むうどんが、山形県の郷土料理である“ひっぱりうどん”です。ひっぱりうどんのタレにつかうサバ缶と納豆の組み合わせがカルシウム・ビタミンD・ビタミンKがバランスよくとれる組み合わせなのです。

ちなみに、ツナ缶で作るレシピもありますが、サバ缶を使ったほうが栄養価は格段に上。

ぜひ寒い季節のうどんメニューに、ひっぱりうどんを取り入れて骨の健康を高めましょう。


管理栄養士
長 有里子

sazukaru代表。管理栄養士。 39歳で体外受精を経験し、40歳で第一子を出産。自身の経験から、不妊治療をされている方に向けた「授かるごはん」講座を主宰する。 人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴をもち、現在は雑誌やサイトの栄養監修なども手掛ける。

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