冷え対策がそろそろ必要な涼しい気候になりましたね。

料理教室の先生方は、食からの冷え予防もされていらっしゃると思いますが、今回は毛細血管と冷えの関係についてご紹介します。

毛細血管の長さは、地球2周半!

“毛細血管”というワードはご存知だと思いますが、これがどのような働きをしているかまでは、なかなかわかりにくいですよね。

毛細血管は動脈と静脈をつないでいるもので、体全体に張り巡らされています。

人の血管の99%を占め、この毛細血管のおかげで細胞のすみずみに酸素や栄養が届けられているのです。なんと、全身の毛細血管をすべてつなぐと、1人で地球2周半の長さにもなります!

毛細血管には小さな穴が開いています。

この穴から適度に血液が漏れることで、周囲の細胞に酸素や栄養を届けているのですが、加齢やストレスなどによって穴が大きくなり、必要以上に血液が漏れてしまうと、その先に血液が届かなくなってしまいます。

これが体の冷えや免疫力の低下、老化の一因になっているとされているのです。

毛細血管を強くする食材は?

では、大きくなり過ぎた毛細血管の穴をふさぐにはどうしたらよいのでしょうか?

健康な毛細血管を維持する力があるといわれている食材は…

・シナモン
・ルイボスティー
・ヒハツ

ヒハツはコショウ科の植物で、コショウと同様にスパイスとして使われます。
島こしょう、ヒバーチ、ロングペッパーなどとも呼ばれ、沖縄料理に使われることが多いスパイスです。

ただ、この中で一番親しみやすいのはシナモンではないでしょうか?
でも、「シナモンを持ってはいるけど、使いきれていない」という方は少なくないはず。

そんな方は、ぜひカレーの仕上げに追いシナモンを!カレー粉にはシナモンが使われているので、カレーとシナモンは相性がぴったりです。

大阪大学微生物病研究所の高倉教授によると、シナモンは耳かき1杯程度、週2回以上とるのがおすすめだそう。

ただし、シナモンはとり過ぎると肝機能障害を起こす可能性があるので、とり過ぎには気を付けてください。

秋冬スイーツにもシナモンを!

カレー以外には、一般的にシナモンはスイーツ系に使われることが多いでしょう。

定番は、バナナとシナモン。またこれからの季節は、温かいココアにシナモンのトッピングも合います。

今回は、これからの季節がおいしいリンゴの赤ワイン煮のレシピをご紹介します。
仕上げにシナモンをふりかけて、冷え予防に。

シナモンは体を温める食材でもありますので、この時期から使いこなせるといいですね。

<リンゴの赤ワイン煮>

■材料(2-4人分)
りんご 1個
A赤ワイン 120ml
A砂糖 大さじ2
ヨーグルト(無糖) 150g
シナモン 適量

■作り方
1.りんごは皮をむき、8等分のくし切りにする。
2.ボウルにクッキングペーパーをしいたザルをのせ、ザルにヨーグルトを入れ、冷蔵庫で1-2時間ほど水切りをする。
3.鍋にAとりんごを入れて火にかけ、クッキングシートなどで落し蓋をし、汁がほとんどなくなるまで煮る。
4.3を冷やし、水切りヨーグルトを添え、シナモンをかける。

まとめ

毛細血管は体のすみずみまで酸素や栄養を届ける働きがあります。毛細血管には小さな穴が開いており、適度に血液が漏れることで酸素や栄養を届けているのですが、穴が大きくなってしまうと、必要以上に血液が漏れだし、冷え症の一因になるとされています。

この毛細血管の穴をふさいでくれる食材のひとつが、シナモンです。
シナモンは日常的に使いやすい食材とはいえませんが、カレーにトッピングしたり、秋冬がおいしいリンゴやココアにトッピングしたりと、これからの季節に使い勝手がよいはず。

ぜひ、冷え予防に活用してみて。


管理栄養士
長 有里子

sazukaru代表。管理栄養士。 39歳で体外受精を経験し、40歳で第一子を出産。自身の経験から、不妊治療をされている方に向けた「授かるごはん」講座を主宰する。 人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴をもち、現在は雑誌やサイトの栄養監修なども手掛ける。

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