春菊はとても栄養価が優秀な野菜で、「食べる風邪薬」ともいわれているほどの食材です。
でも、苦みが苦手な方も多いでしょう。 では、どうすれば苦みを感じずにおいしくいただくことができるでしょうか?
春菊の栄養は?
春菊が「食べる風邪薬」といわれるのは、その栄養価の高さからですが、とくに粘膜を保護して風邪予防に働くベータカロテンはほうれん草やケールよりも多いのが特長です。
また、カルシウムは牛乳より多く、同じく骨の健康にかかわるビタミンKに関しては1日分以上の量が含まれます(ともに100g中)。
<100g中のべータカロテン量>
・春菊…4,500㎍
・ほうれん草…4,200㎍
・ケール…2,900㎍
さらに春菊といえば、香りですよね。特有の香りは、α-ピネンなどの精油成分で、胃腸の働きをととのえたり、のどの炎症を防いだりする働きがあるとされています。
“しゃぶしゃぶ”加熱なら苦くない?!
ただ、いくら春菊が栄養豊富だとはいえ、あの苦みが苦手な方も多いことでしょう。
実は春菊は、加熱をしなければ苦みはほとんど感じません。加熱をすることによって苦みを感じるようになるのです。
でも、さっと火を通す「しゃぶしゃぶ」加熱であれば苦みは出にくいとされています。
茹でる場合は、10秒以内の「しゃぶしゃぶ」を目安にしてみてください。
よって、寄せ鍋でもすき焼きでも、春菊をいただくときは最初から入れるのではなく、後入れの“10秒しゃぶしゃぶ”が、苦みを感じにくくするポイントです。
苦みが苦手なら、サラダで食べる!
春菊の苦みが苦手なら、とくにおすすめは、生でサラダにして食べること。茎もななめ薄切りにすると、おいしくいただけます。
ただ、春菊の唯一の栄養面での欠点は、ビタミンCが少ないこと。ビタミンCの多いブロッコリーや果物ならグレープフルーツなどを組み合わせると栄養バランスがととのいますよ。
まとめ
春菊が「食べる風邪薬」」といわれている理由のひとつは、粘膜を守って風邪予防に働くベータカロテンが野菜の中でもトップクラスだからです。
よって今の時期は積極的に召し上がっていただきたいのですが、あの苦みが苦手という方は多いことでしょう。
でも、加熱をする場合は10秒以内のサッと加熱なら苦みを感じにくくなりますし、生で食べればほとんど苦みは感じません。
よって鍋料理に春菊を入れるなら、後入れのサッと加熱を。生であればサラダにするのがおすすめです。
・ 旬の野菜の栄養事典(吉田企世子/エクスナレッジ)
参考
sazukaru代表。管理栄養士。 39歳で体外受精を経験し、40歳で第一子を出産。自身の経験から、不妊治療をされている方に向けた「授かるごはん」講座を主宰する。 人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴をもち、現在は雑誌やサイトの栄養監修なども手掛ける。