夏の果物といえば、スイカは外せませんよね。

冷やしたみずみずしいスイカは、夏の暑さに涼をもたらしてくれる夏のマストフルーツです。


ただ多くの方は、赤い身の部分だけしか召し上がらないと思いますが、美容のことを考えると、皮に近い白い部分も食べたほうがいいんですよ。

アンチエイジングなら、黄色より赤いスイカ!

・ 抗酸化パワーは赤いスイカのほうが圧倒的

スイカはおもに赤い色と黄色がありますよね。赤い果肉にはトマトと同じリコピンという成分が多く含まれます。一方、黄色い果肉にはにんじんと同じベータカロテンが含まれます。

リコピンとベータカロテンにはともに抗酸化作用がありますが、抗酸化力が強いのはリコピンのほう。そして赤い果肉にはリコピンが多量に含まれています。

よって、美容面でスイカを選ぶなら赤い色がおすすめになります。

 むくみ予防ならどっち?

夏はスパイシーなものやパンチの効いた味付けのものを食べたくなりませんか?このようなメニューには塩分が多く含まれがちです。そしてこの塩分が、むくみの一因になるのです。

そんなときに役立つ成分が、カリウムです。カリウムは余分な塩分を排出する働きがあり、むくみ予防に欠かせない成分。このカリウムがスイカには豊富に含まれています。

しかも、赤い果肉にも黄色い果肉にも同量含まれているので、夏のむくみ対策にはどちらを召し上がっていただいてもOKです。

スイカの皮に栄養が!?

美容にうれしい作用のあるスイカですが、それは果肉だけではありません。白い皮の部分にも有効成分が含まれています。

それは、スイカの果汁から発見された成分であるシトルリンです。

聞きなじみがない成分かもしれませんが、このシトルリンには血管を若返らせる効果があります。また疲労回復、新陳代謝の促進なども期待されています。

ただ、シトルリンが多く含まれるのは、果肉よりも白い皮の部分

よって、皮の部分も捨てずにいただきましょう!

たとえば

・浅漬けやぬか漬け、ピクルス

・炒め物や煮物

とくにスイカも冬瓜も同じウリ科の植物ですので、冬瓜と同じく煮込み料理に合います。

このようにスイカは果肉も皮もいただけば、トータルで美容に貢献してくれるでしょう。

「天ぷらとスイカの食べ合わせは悪い」はホント?

スイカは天ぷらとの食べ合わせがよくないといわれますが、これは本当?それとも迷信なのでしょうか?

スイカは90%が水分です。水分が多いということは、体を冷やしやすいということになります。また天ぷらは油が多いので、消化に時間のかかる食べ物です。

つまり、このふたつを一緒に食べると「胃腸に負担をかけやすい」ということで、相性が良くないといわれているようです。よって、まったくの迷信ではないのでしょう。


“食べすぎには注意“という程度で考えておけばよいと思います。

まとめ

スイカはおもに果肉が赤と黄色の2種類がありますが、抗酸化作用の高い成分が多いのは赤いほうになります。よって、美容作用を期待して食べるなら、断然赤がおすすめ。

また捨てがちな皮の部分には、血管を若返らせる成分が多く含まれます。

果肉をデザートとしていただいたあとは、白い皮を漬物や煮物に使ってみては?

果肉も皮もいただくことによって、トータルで夏美容に役立ちますよ。

・日本食品標準成分表2015年版(七訂)

・旬の野菜の栄養事典(吉田企世子/エクスナレッジ)

参考

管理栄養士
長 有里子

sazukaru代表。管理栄養士。 39歳で体外受精を経験し、40歳で第一子を出産。自身の経験から、不妊治療をされている方に向けた「授かるごはん」講座を主宰する。 人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴をもち、現在は雑誌やサイトの栄養監修なども手掛ける。

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