鮭とサーモンは、私たちにとって身近な魚ですよね。

鮭を英語でいうとサーモン。だから同じだと思っていませんか?

でも実は、このふたつは違うのです。

その違いを見てみましょう。

鮭とサーモンの違いは?

マルハニチロの調査によると、回転寿司で好きなネタの1位は9年連続でサーモン。鮭ではありません。

では、この違いは何でしょうか?

鮭とサーモンの違いは、「食べ方」です。

日本では、基本的に天然物を“鮭”、養殖物を “ サーモン”と呼んでいます。

鮭はアニサキスなどの寄生虫がいることがあるので生食には向いておらず、加熱して食べるのが一般的です。

一方、養殖のサーモンはエサが管理されているので寄生虫の心配がなく、生食できるのが特徴になります。

よって、鮭は焼き物や煮物、サーモンは寿司や刺身といった食べ方になります。

回転寿司のマヨサーモンは理想的!

鮭やサーモンの栄養の特長は、「色」と「脂」にあります。

色;アスタキサンチン(抗酸化作用)

脂;オメガ3脂肪酸(血液サラサラ作用)

・アスタキサンチン

サーモンピンクともいわれる赤い色は、アスタキサンチンという抗酸化成分です。

紫外線が気になる季節になりますが、紫外線によるダメージを強力に抑えることで注目されているのがアスタキサンチン。

そのパワーは、同じく抗酸化作用が強いとされるβ-カロテンの約 40 倍ともいわれています。

・オメガ3脂肪酸

DHAやEPAという成分をご存知ですか?これらはオメガ3脂肪酸という脂で、血液をサラサラにする作用があります。また春は花粉症の方には辛い時期ですが、これらのアレルギー症状を和らげる効果が期待されています。

このオメガ3脂肪酸は、調理法だと刺身が一番効率よくとれる方法になります。

さらにアスタキサンチンは、油と合わせると吸収率がアップ。 つまり回転寿司であれば、マヨネーズと合わせるマヨサーモンは、栄養的に理想の組み合わせとなります。

マリネで栄養が無駄なくとれる

暖かくなる春は、マリネがおいしく感じますよね。

この時期の作り置きは、アスタキサンチンとオメガ3脂肪酸を無駄なくとれるスモークサーモンのマリネはいかがでしょうか?

刺身でオメガ3脂肪酸を、オリーブ油との組み合わせでアスタキサンチンをしっかりとれますよ。

■材料(作りやすい分量)

スモークサーモン 100g

たまねぎ 1/4個

A酢 大さじ1

Aオリーブ油 大さじ1

A粒マスタード 大さじ1/3

■作り方

1.スモークサーモンは食べやすい大きさに切る。たまねぎは薄切りにする。

2.1と調味料を混ぜ合わせる。

まとめ

鮭とサーモンの違いは、天然か養殖かの違いになります。

鮭は寄生虫がいるので焼き物や煮物といったように加熱をするのが基本、サーモンは寄生虫の心配がないので寿司や刺身でも食べられます。

ただ、このように食べ方は違いますが、栄養成分は同じ。

特徴的な成分は、血液サラサラ作用のある”オメガ3脂肪酸”と、強力な抗酸化作用のある”アスタキサンチン”です。 オメガ3脂肪酸を効率よくとるなら、刺身が一番。そしてアスタキサンチンは油脂と組み合わせると吸収率が高まる性質があるので、寿司ネタならマヨサーモン寿司、洋食ならサーモンマリネなどがおすすめの食べ方になります。


管理栄養士
長 有里子

sazukaru代表。管理栄養士。 39歳で体外受精を経験し、40歳で第一子を出産。自身の経験から、不妊治療をされている方に向けた「授かるごはん」講座を主宰する。 人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴をもち、現在は雑誌やサイトの栄養監修なども手掛ける。

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