日々忙しい生活を送っている私たち現代人。普段の生活の中でイラっとしてしまうことはありませんか? 「ストレス解消!」と食欲に走ってしまうことがあるかもしれませんが、そんなとき、食生活で意識したい食材があります。

今回は、伝統食材のひじきの栄養をお伝えします。

ひじきの煮物がイライラ予防に良い?

私たちの体では、カルシウムとマグネシウムが血液中に2:1のバランスで存在しています。 カルシウムはおなじみの栄養素ですよね。一方、マグネシウムはあまり知名度が高くはありませんが、とても大切な栄養素です。

マグネシウムは酵素を活性化させる働きがあり、体内のさまざまな代謝を助けています。また神経の情報伝達にもかかわり、カルシウムとともに“抗ストレスミネラル”と呼ばれています。
よってカルシウムとマグネシウムのバランスの乱れは神経の興奮を抑えにくくし、イライラ感が起こる原因のひとつになるとされています。

身近なメニューでこのカルシウムとマグネシウムのバランスが良いのが、ひじきの煮物です。ひじきの煮物のカルシウム量は100㎎、マグネシウム量は43㎎(100g中)で、2:1の理想に近いバランスになっています。

実際は、ひじきの煮物を食べるだけでバランスをととのえることは難しいですが、バランスの良い食事を心がける中で取り入れると良い献立のひとつになります。

マグネシウムを多く含む食品は?

バランスの良い食生活を心がけるとき、カルシウムを意識することはあるかもしれませんが、マグネシウムを意識するというのは難しいでしょう。

そもそもマグネシウムがどのような食品に含まれているかわかりにくいですよね。

その場合は、東京慈恵会医科大学客員教授の横田邦信先生が考案された語呂合わせが参考になります。
それが、「そばのひ孫と孫は(わ)優しい子かい?納得!」です。

「そ」は蕎麦、「ば」はバナナ、「の」は海苔、「ひ」はひじき、「ま」はまめ類、「ご」は五穀米、「と」は豆腐、「ま」は抹茶、「ご」は胡麻、「わ」はワカメ、「や」は野菜類、「さ」は魚類、「し」は椎茸、「い」はイチジク、「こ」は昆布、「か」は牡蠣、「い」は芋、「なっ」は納豆、「と」はトウモロコシ、「く」はクルミになります。

取り入れやすい食材はありますか?

バナナヨーグルトでイライラサポート

マグネシウムをとりやすい食品の語呂合わせに入っていますが、気軽に取り入れるならバナナがおすすめです。 バナナ1本(100g)に含まれるマグネシウムの量は32㎎。カルシウムは6㎎で両者のバランスは理想的ではありませんが、皮をむくだけで手軽に食べられるバナナは、マグネシウムを効率よくとれる食材になります。

また、たとえばバナナ1本に無糖ヨーグルト50gをかければ、バナナだけを食べるよりも理想的な比率(カルシウム1.7:マグネシウム1)に近づきます。

まとめ

カルシウムとマグネシウムは”抗ストレスミネラル”と呼ばれており、カルシウムとマグネシウムのバランスの乱れはイライラ感を引き起こす原因のひとつとされています。

身近なメニューでこのふたつの栄養素のバランスが良いのが、定番のひじきの煮物です。ひじきの煮物は、理想的なカルシウム2:マグネシウム1のバランスになっています。

また、カルシウムはなじみ深い栄養素だと思いますが、マグネシウムになじみのある方は少ないはず。どんな食品にマグネシウムが多いかわからない場合には、語呂合わせの「そばのひ孫と孫は(わ)優しい子かい?納得!」が役に立ちますよ。


管理栄養士
長 有里子

sazukaru代表。管理栄養士。 39歳で体外受精を経験し、40歳で第一子を出産。自身の経験から、不妊治療をされている方に向けた「授かるごはん」講座を主宰する。 人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴をもち、現在は雑誌やサイトの栄養監修なども手掛ける。

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