最近は、日用品など身の回りで値上げが相次いでいますよね。ただ、卵に関してはまだ影響はないよう。 しかも卵は”完全栄養食”といわれるほど栄養が豊富に含まれているので、ぜひ活用したいもの。

ただ、そんな栄養優秀な卵にも含まれない栄養素があるのです。足りない栄養素とは何でしょうか?

”完全栄養食”である卵の欠点

私たちの身近な食材である卵は、その栄養の豊富さから”完全栄養食”ともよばれています。 その名にふさわしく、3大栄養素の炭水化物・たんぱく質・脂質はもちろんのこと、ミネラルやビタミンなどさまざまな栄養成分がバランス良く含まれています。

女性は鉄分が不足しがちですが、卵は鉄分の供給源にもなります。また、免疫力をあげると注目を高めているビタミンDは効率よくとれる食材が限られていますが、卵はその中のひとつです。

ただし、残念ながら足りない栄養素もあります。

それが、ビタミンCと食物繊維です。卵には、このふたつの栄養素は含まれていません。

卵と相性の良い食材

では、卵に含まれないビタミンCと食物繊維を補うには、どのような食材と組み合わせるとよいでしょうか?


ビタミンCと食物繊維の両方が期待できる食材には、緑黄色野菜や果物があります。 緑黄色野菜なら、イチオシは卵とブロッコリーの組み合わせ。炒め物やサラダなど、いろいろな調理法でいただけるのもうれしいポイントです。

また、ひとつの献立でみると、食後にフルーツをとるという方法もあります。 たとえばキウイは、グリーンとゴールドのどちらもビタミンCと食物繊維を多く含みます。 グリーンキウイならより食物繊維が、ゴールドならよりビタミンCがとれますよ。

卵とコレステロール

”卵にはコレステロールが多い”というイメージがあるかもしれません。

コレステロールには善玉と悪玉があり、悪玉コレステロールが過剰になると動脈硬化の原因となります。 一方、コレステロールは細胞膜の成分やホルモンの材料になるなどの大切な働きがあるため、不足は全身の機能低下につながります。
ただし体内でも合成できるため、普通の食事をしていれば不足することはまずなく、食事からとる量よりも、体内で合成される量の方が多いのが特徴です。

卵1個(50g)には185㎎のコレステロールが含まれていますが、コレステロールの摂取の目安量はありません。よって卵は一日何個までという設定もありませんが、脂質異常症や循環器疾患予防の面から過剰摂取にならないようバランスの良い食事をすることが大切です。

一方、脂質異常症の重症化予防の目的からは200mg/日未満に留めることが望ましいとされているため、脂質異常症の方は卵に注意を払う必要があります

まとめ

卵はその栄養の豊富さから”完全栄養食”とよばれており、炭水化物、たんぱく質、脂質といった3大栄養素のほか、ミネラルやビタミンなどのさまざまな栄養素がバランス良く含まれます。

ただし、残念ながらビタミンCと食物繊維は含まれていません。 よって組み合わせる食材を工夫して、ビタミンCと食物繊維もとれれば、より栄養価はアップします。

たとえば野菜ならブロッコリー、果物ならキウイと組み合わせるのがおすすめです。

また卵は完全栄養食とされていますが、コレステロールを含みます。よって過剰摂取には気を付け、とくに脂質異常症の方は食べる量に注意する必要があります。


管理栄養士
長 有里子

sazukaru代表。管理栄養士。 39歳で体外受精を経験し、40歳で第一子を出産。自身の経験から、不妊治療をされている方に向けた「授かるごはん」講座を主宰する。 人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴をもち、現在は雑誌やサイトの栄養監修なども手掛ける。

授かるレシピへ