実りの秋です。果物もおいしい季節になりました。

秋の果物といえばブドウがありますが、ブドウから作られるものにワインがありますよね。ワインはポリフェノールが豊富だと知られています。では、原料であるブドウでもポリフェノールはとれるのでしょうか?

ブドウは疲労回復に最適

秋の果物であるブドウは、ジューシーな甘さが特徴です。

この甘さの主な成分は、ブドウ糖や果糖などの糖分。これらは体内ですばやくエネルギーに変わるため、即効性の疲労回復効果が期待できます

ただ、長く冷蔵庫に入れたままにしておくと甘みが抜けてしまうので、冷蔵庫の野菜室で2-3日を目安に食べきると良いでしょう。

ブドウを食べてもポリフェノールはとれる?

以前、赤ワイン人気が高まった際、赤ワインに含まれるポリフェノールにも大きな注目が集まりました。

ポリフェノールには抗酸化作用があり、生活習慣病の予防に有効だとされています。

では、ワインのもとになるブドウを食べても、ポリフェノールはとれるのでしょうか?

残念ながら、答えはNOです。

実は、ポリフェノールはブドウの皮や種に集中して含まれ、実の部分にはほとんど含まれません。

よって、ブドウを食べてポリフェノールの恩恵を受けるなら、皮まで食べられるものを選ぶとよいでしょう。

ポリフェノールをとるなら、ナガノパープル

皮まで食べられるブドウには、白ブドウのシャインマスカットや黒ブドウのナガノパープルなど、いくつか種類があります。

ただ、よりポリフェノールをとるのなら、ナガノパープルをおすすめします。

なぜなら、ポリフェノールは色が濃いブドウにより多く含まれているからです。

つまり、色が濃いナガノパープルのほうがよりポリフェノールの摂取が期待できるということになります。

ただ、ナガノパープルはけっこう高価ですよね。

だからといって巨峰などの黒ブドウを皮まで食べると渋みを感じます。

そんなときは、これらの黒ブドウをミキサーにかけてスムージーにしたり、むいたブドウの皮を捨てずに冷凍しておき、量がまとまったらフードプロセッサーなどでペースト状にしてドレッシングなどに加えてみましょう。適度な渋みが料理のアクセントになりますよ。

まとめ

ポリフェノールは、ブドウの皮や種に多く含まれ、実の部分にはほとんど含まれていません。

つまり、ブドウの皮をむいて食べてしまうと、ポリフェノールはほぼとれないことに。

また、ポリフェノールは色が濃いブドウに多く含まれています。

皮も食べられるブドウはいくつか種類がありますが、色が一番濃いのはナガノパープルです。ポリフェノールをとるなら、ナガノパープルがおすすめですよ。

・ 旬の野菜の栄養事典(吉田企世子/エクスナレッジ)

岡山産ぶどうに含まれるポリフェノールの分析(岡山理科大学紀要A自然科学)

参考

管理栄養士
長 有里子

sazukaru代表。管理栄養士。 39歳で体外受精を経験し、40歳で第一子を出産。自身の経験から、不妊治療をされている方に向けた「授かるごはん」講座を主宰する。 人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴をもち、現在は雑誌やサイトの栄養監修なども手掛ける。

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