みずみずしい甘さが特徴の秋の果物といえば、梨です。二十世紀や長十郎、幸水や豊水、新高など種類がたくさんあるのも魅力のひとつですが、どの梨にも共通しているのが、独特のシャリシャリ感。
さて、この食感にはどんな栄養パワーがあるのでしょうか?
梨の種類とシーズン
梨は秋の果物のイメージが強く、梨を食べることで「秋がきたな」と秋の始まりを感じる方もいらっしゃると思います。でも実際は、梨が出回り始めるのはお盆の頃。
梨の旬は8月から10月上旬ぐらいまで続き、その間に色々な品種がまさにリレーのように出回ります。
たとえば梨の生産地日本一の千葉県では、以下のような出回り方をしています。
・幸水…8月上旬から8月中旬
赤梨の代表品種。梨シーズンのスタートに出てくる品種。
・豊水…8月下旬から9月中旬
幸水と並んで全国的に生産量が多く、赤梨の代表品種。
・20世紀梨…9月上旬から9月下旬
青梨の代表品種の1つ。
・新高(にいたか)…9月下旬から10月中旬
大型の梨で、中には1㎏の大きなサイズもある。
梨で腸活!
梨の食感の特徴といえば、あのシャリシャリ感ですよね。
この食感は石(せき)細胞とよばれる食物繊維のかたまりがもたらすものです。よって、便秘の改善に働くとされています。
また、梨の甘みにはソルビトールという成分が含まれ、こちらも便秘の解消に有効に働くとされています。
つまり、梨には2種類の腸活成分が含まれているということです。
梨は、便秘に悩む方にとってうれしいフルーツといえるでしょう。
梨で肉がやわらかくなる?
韓国料理では、肉の下味に梨のすりおろしを加えるという使い方をします。
実は、梨にはたんぱく質を分解するプロテアーゼという酵素が含まれ、肉をやわらかくし、肉の消化を良くする働きがあるのです。
自宅で焼肉をする方が増えています。その際は、今が旬の梨をすりおろした漬けだれに、肉を漬けてみてはどうでしょうか?肉をやわらかくいただくことができますよ。
または、“焼肉の後に梨を食べる”というのも、肉の消化促進に役立ちます。
まとめ
秋においしい梨は、シャリっとした食感が特徴ですよね。
このシャリシャリ感は、食物繊維のかたまりからできています。また、みずみずしい甘みにはソルビトールという成分が含まれ、これも便秘改善に作用するとされています。
つまり、梨は腸活に役立つフルーツだといえるでしょう。
また、もうひとつの特徴として、たんぱく質分解酵素を含むということもあります。たとえば焼肉をするときの漬け込みだれにすりおろした梨を使ったり、食後に梨を食べたりすると、肉の消化が促されやすくなります。
・ 旬の野菜の栄養事典(吉田企世子/エクスナレッジ)
参考
sazukaru代表。管理栄養士。 39歳で体外受精を経験し、40歳で第一子を出産。自身の経験から、不妊治療をされている方に向けた「授かるごはん」講座を主宰する。 人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴をもち、現在は雑誌やサイトの栄養監修なども手掛ける。