たんぱく質ブームが続いています。たんぱく質というと肉や魚に多く含まれるイメージだと思いますが、野菜にもある程度たんぱく質は含まれます。中でも、ある身近な野菜はたんぱく質がとれるとトレーニング中の人にも人気だそう。

さて、それはどの野菜でしょうか?

■ブロッコリーのたんぱく質について

体の大部分はたんぱく質からできている、といっても過言ではありません。食べ物からとったたんぱく質はアミノ酸に分解された後、主に体の構成成分となります。 ただ、野菜というとビタミンやミネラルが豊富というイメージがあり、なかなかたんぱく質とは結び付かないかもしれません。

おなじみのたんぱく源としては、肉や魚などがありますよね。一方、野菜にたんぱく質はあまり含まれませんが、ブロッコリーに関しては別です。 肉や魚は100g中に15-20g程度のたんぱく質を含むので、それと比べれば格段に少なくはなりますが、ブロッコリーには100g中3.8gのたんぱく質が含まれており、野菜の中では含有量が多いのです。

ではなぜ、トレーニング中の人からブロッコリーが注目されているのでしょうか? それはカロリーが関わっています。 ブロッコリーは野菜なので肉や魚とは違い、カロリーを控えながらもたんぱく質を効率よくとることができます。よって、トレーニング中の人にも人気の食材になっています。

■“茹で”と“電子レンジ”の栄養素の違い

ブロッコリーは茹でるよりも電子レンジで加熱をしたほうが、栄養素が多く残るということを聞いたことがありませんか?

たとえば、違いが目立つ栄養素としては、以下があります。

<電子レンジ加熱のほうが栄養素は多く残る成分>
たんぱく質…1.5倍
ビタミンC…2.5倍
鉄分…1.5倍
カリウム…約2.5倍

お手軽な電子レンジ加熱のほうが茹でるよりも栄養素が残りやすいというのは、嬉しいですよね。

■植物性たんぱく質と動物性たんぱく質の違い

たんぱく質には植物性と動物性のふたつの種類があります。

動物性たんぱく質は肉や魚介類、乳製品や卵といったものに多く含まれますが、植物性たんぱく質はおもに大豆製品に多く含まれます。また量は多くはありませんが、穀類や野菜、きのこ、海藻などさまざまな食品に含まれています。

植物性たんぱく質を含むものは動物性たんぱく質を含むものと比べると、カロリーや脂質が少ないといった特徴があるので、カロリーオーバーや脂質のとりすぎになりにくいといった違いがあります。

ただし、”良質なたんぱく質”とよばれる必須アミノ酸をバランス良くとりやすいのは動物性たんぱく質のほうになるため、どちらかに偏らずバランス良く食べることが大切です。

まとめ

たんぱく質を多く含む身近な野菜は、ブロッコリーです。
肉や魚などと比べるとたんぱく質量は格段に少ないのですが、それでも野菜の中ではトップクラスの含有量。カロリーを抑えながらもたんぱく質をとりたい場合にはおすすめになります。

ただし、カロリーなどを気にしてブロッコリーのような植物性のたんぱく質に偏りすぎると、良質なたんぱく質がとりにくくなってしまう場合があります。植物性のたんぱく質と肉や魚などの動物性のたんぱく質をバランス良くとるようにしましょう。


管理栄養士
長 有里子

sazukaru代表。管理栄養士。 39歳で体外受精を経験し、40歳で第一子を出産。自身の経験から、不妊治療をされている方に向けた「授かるごはん」講座を主宰する。 人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴をもち、現在は雑誌やサイトの栄養監修なども手掛ける。

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