暖かくなると酸味のあるものをおいしく感じるようになりますね。

例えば、酢。酢は日中の気温が高くなる5月から売り上げが伸びる食品です。

ただ酢の中でもバルサミコ酢は、一度は買ってみたものの使い方がわからずキッチンに置いたまま…ではありませんか?

酢の6大パワー

酢は穀物や果実などからお酒を作り、これに酢酸菌を加えて発酵させたものです。そしてよくいわれる通り、健康パワーの宝庫ともいえる食品です。

その源は、酢に含まれる酢酸になります。

では、酢の酢酸には具体的にどのような作用があるのでしょうか?

疲労を回復する 疲労物質の乳酸を分解する
カルシウムアップ カルシウムの吸収率を上げる
血糖値の上昇を抑える 糖の吸収を穏やかにする
血圧を下げる 血圧上昇にかかわるホルモン調節機構を抑える
夏バテを予防する 胃酸の分泌を促し、消化吸収をよくする
便秘を改善する 腸のぜんどう運動を活発にする

酢にはいろいろな種類がありますが、酢酸の割合はどれもほぼ同じ。つまり、どの種類の酢を使っても、上記のような健康作用が期待できます。

ただし、少量であっても原液をそのまま飲むのは厳禁

食道や胃を痛める原因になるため、必ず薄めるか料理に使用して取り入れましょう。薄めても酢の健康効果は変わりません。

バルサミコ酢とワインビネガーの違いは?

ワインビネガーとバルサミコ酢は、どちらも原料は同じ。原料はぶどうの果実酢です。

ワインビネガーはぶどう果汁をアルコール発酵させた後、酢酸菌で発酵させることにより作られます。

そして白ワインをベースに作られた白ワインビネガーと、赤ワインをベースに作られた赤ワインビネガーがあり、異なる風味をもちます。

  • 白ワインビネガー…さわやかな酸味とフルーティな香りがある
  • 赤ワインビネガー…白ワインビネガーと比べ、コクと深みがある

ともに、サラダのドレッシングやマリネに使うのがおすすめになります。

一方、バルサミコ酢は濃縮したぶどう果汁を発酵させ、樽で長期熟成させて作られます。

そのため複雑な香りと濃厚で甘酸っぱい味が特徴で、ドレッシングはもちろん、煮詰めてとろみのあるソースに仕上げることもできます。

バルサミコ酢をアイスにかけるとおいしい!

バルサミコソースを添えた バニラアイス

バニラアイス バルサミコ酢は煮詰めると甘酸っぱい濃厚ソースになり、肉や魚のソースにするとおいしくいただけます。さらにこの方法は、デザートにも応用できるんですよ。

そこで、この季節にぴったりな使い方は、アイスクリームにかけること

煮詰めてソースにし、アイスにかければワンランクアップのおいしさに!

作り方は…

  • 1.バルサミコ酢(適量)を鍋に入れ、半量になるまで火にかける
  • 2.アイスクリームにかける

ちなみに酢の酢酸の沸点は116℃なので、加熱をして煮詰めても酢の健康パワーはほとんど変わりません。
よって、酢の血糖値の上昇を穏やかにする作用により、アイスなのに食べても太りにくくなるという嬉しいおまけもついてきます。

まとめ

酢は健康パワーの宝庫ともいえる調味料です。

一般的にいわれるように疲労回復に役立つほか、血糖値の上昇を抑えたり便秘を改善したりと、さまざまな健康効果を持ち合わせています。

この作用は、バルサミコ酢も同様。

バルサミコ酢を使いきれず、もてあましていませんか?

そんな方は、アイスクリームのソースとしてバルサミコ酢を使ってみて。濃厚な甘酸っぱさで、たとえ安いアイスでも高級アイスになったかのような味わいに。そして、血糖値が上がりにくくなるので、太りにくくなるという嬉しい作用も期待できますよ。


管理栄養士
長 有里子

sazukaru代表。管理栄養士。 39歳で体外受精を経験し、40歳で第一子を出産。自身の経験から、不妊治療をされている方に向けた「授かるごはん」講座を主宰する。 人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴をもち、現在は雑誌やサイトの栄養監修なども手掛ける。

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