お正月の三が日には福茶を飲み、一年間の無病息災を願った先生方は多いことでしょう。冬はこのように、福茶以外にも緑茶を飲む機会が多いはず。

緑茶といえば、カテキンが有名です。このカテキンの作用や効率よくとる方法を知って、この冬を元気に乗り切りませんか?

カテキンで新型コロナウイルスが無害化?!

カテキンとは、おもにお茶に含まれるポリフェノールの一種です。お茶の渋味成分のもととなる物質で、様々な作用が確認されています。

・抗菌、殺菌作用
・抗ウイルス作用
・アンチエイジング作用
・コレステロール低下作用
・体脂肪低減作用 など

近年では“体脂肪を減らすのを助ける”緑茶がトクホ(特定保健用食品)で増えているので、注目されている方もいらっしゃるでしょう。

またインフルエンザ予防に緑茶が有効だといわれていたり、昨年末には、奈良県立医科大学から市販のお茶によって新型コロナウイルスが無害化されたという発表がありました。この研究は人での効果は未確認ですが、大きな話題に。

コロナウイルスに対する無害化の仕組みは不明だそうですが、お茶に含まれるカテキンが関係するのではないかとされています。

紅茶にはカテキンは含まれないの?

女性は紅茶好きの方も多いので、紅茶派の方にも朗報を。

緑茶を発酵させて作るのが、紅茶です。紅茶のカテキンは発酵過程でテアフラビンという成分になるのですが、総合的には緑茶も紅茶も活性は同等であると考えられています。

ちなみに、前述した「お茶によって新型コロナウイルスが無害化された」という報告に使われたお茶には緑茶だけでなく紅茶も使われています。

ただカテキンには種類があり、その中で最も作用の高いカテキン“エピガロカテキンガレート”は緑茶に一番含まれています。

茶葉を食べてカテキンをとる?

それでは、緑茶のカテキンを手っ取り早くとるにはどうしたらよいでしょうか?

・お茶でとる

カテキンの中で一番作用の高いエピガロカテキンガレートがよく出る緑茶の淹れ方は、熱湯よりも少し冷めた状態です。
70-80℃で一番多く出るので、熱湯をそのまま急須に注がす、いったん湯飲みに熱湯を入れてから急須に入れて注ぐとよいでしょう。

・茶葉でとる

より手っ取り早いのが茶葉を食べること!
飲み終わったあとのお茶殻にもカテキンは半分ほど残っています。せっかくの有効成分を捨ててしまうのはもったいないですし、茶葉は食べてもおいしいんですよ。

たとえばチャーハンの具にしたり、お浸しとして鰹節やポン酢をかけていただいてもおいしくいただけます。

まとめ

緑茶の有効成分として、カテキンがあります。カテキンには抗ウイルス作用や体脂肪を減らす作用などがあり、今注目されている成分です。

このカテキンを効率よくとるには、お茶で飲むなら70-80℃がベスト。熱湯を直接急須に注がず、一度湯飲みに注いでからお茶を入れると適温になります。

また、出がらしの茶葉を食べるというのもおすすめ。チャーハンに入れたりお浸しにしたりすると食べやすく、おいしくカテキンを取り入れることができますよ。


管理栄養士
長 有里子

sazukaru代表。管理栄養士。 39歳で体外受精を経験し、40歳で第一子を出産。自身の経験から、不妊治療をされている方に向けた「授かるごはん」講座を主宰する。 人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴をもち、現在は雑誌やサイトの栄養監修なども手掛ける。

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