学校も再開し、お弁当作りを開始するという人は多いのではないでしょうか?


せっかく作るのだから“おいしいお弁当”を目指すのはもちろんですが、お弁当は作ってからすぐに食べるものではありません。

この時期だけではありませんが、味と同じく大切なのは「食中毒予防」になります。

うっかりやりがちなNG行為やNG食材、理解していますか?

3原則は「付けない、増やさない、やっつける」

食中毒を防ぐ3原則は、「菌を付けない、増やさない、やっつける」。

この言葉、一度は聞いたことがあるかもしれません。

実際にできているかをチェックしてみましょう。

食中毒を防ぐ3原則

  ポイント
つけない •調理するときはよく手を洗う
•詰めるときは清潔な箸を使う
おにぎりは、ラップで握る
やっつける おかずは中まで十分に加熱する(中心部を75℃で1分間以上の加熱が目安) 中まで火が通りにくいもの(玉子焼き、ハンバーグ、唐揚げ等)
増やさない •焼く・揚げるなど、水分が少なくなるような調理をする
•少し濃い味付けをする
•和え物を入れるなら、低温を保つ
刺身、半熟卵、前夜調理したものはお弁当に向かない

また保管については、10-65℃は菌が増えやすい温度になるため、なるべくこの温度帯を避けて保管するようにしましょう。

  • ・ご飯やおかずは十分に冷ましてから、ふたを閉める
  • ・必要に応じて、保冷剤などで低温を保つ
  • ・スープジャーなど保温性の高いお弁当容器を使うときは熱いうちに詰め、65℃以上を保つ

これらの原則は基本的なことなので、「できてる!」という方も多いと思います。

ただこれ以外にも、見落としがちなうっかり行為が…。

例えばお弁当の彩りに欠かせないミニトマトは、ヘタをつけたまま入れていますか? それとも外していますか?

意外なお弁当NGおかずは?

お弁当の定番おかずとしては、ミニトマトやウインナー、ハムなどがあります。

これらは間違った入れ方をすると食中毒の原因になることが。
どうするのが正解でしょうか?

・ミニトマト
お弁当の“赤色”おかずの代表が「ミニトマト」ですよね。
もしかして、ヘタつきのまま入れていませんか? 
ミニトマトはヘタと実の間に細菌が発生しやすいのです。
お弁当箱に入れる際は、必ずヘタをとって入れるようにしましょう。

・ハムやウインナー
加熱された製品なので、そのままでも食べられる食材です。
ただし10℃以下で保存した場合に加熱しないでも食べてよいという条件なので、お弁当にそのまま入れるのは好ましくありません
だいたいウインナーはフライパン加熱などをしてからお弁当に入れる方が多いですが、キャラ弁を作る場合は、ハムやウインナーを加熱せずに型抜きして入れる方がいます。
加熱をするか、もしくは10℃以下で保管をしてください。
サンドイッチにハムを入れる場合もそうですよ。

・マヨネーズ
マヨネーズは殺菌力のある酢や食塩などを含んでいるため、たとえサルモネラ菌や大腸菌などが混入したとしても、24時間以内に死滅します。
しかし、これはあくまでマヨネーズのみの場合であって、野菜にかけたり和えたりすると、食材の水分でその効果は弱まります。
よって、マヨネーズをお弁当に使うなら、別添えで持っていき、食べる直前にかけましょう。

日の丸ご飯は安心?

昔から、真ん中に梅干をのせる日の丸ご飯は食中毒対策になるといわれています。

実はこれは、半分正解、半分不正解です。

梅干しには強い殺菌力がありますが、日の丸ご飯だと梅干しが乗っているところだけが殺菌されるだけなので、実際の予防としては不十分。

梅干しの殺菌効果を高めるには、米を炊飯するときに梅干を一緒に入れて炊き、炊き上がったらまんべんなく混ぜ合わせてお弁当箱に詰めるというのがおすすめです。

目安は、米1合に対して梅干し1個の割合です。

まとめ

お弁当作りで食中毒を防ぐには、「菌を付けない、増やさない、やっつける」の3原則が大切。

とくに意外とやってしまいがちなNG弁当が、ミニトマトのヘタをつけたまま入れてしまうこと。キャラ弁も、ハムやウインナーを加熱せずに型抜きして使っていませんか?


そのうっかり行為、要注意ですよ。

・日本食品標準成分表2015年版(七訂)
東京都福祉保健局

参考


 

管理栄養士
長 有里子

sazukaru代表。管理栄養士。 39歳で体外受精を経験し、40歳で第一子を出産。自身の経験から、不妊治療をされている方に向けた「授かるごはん」講座を主宰する。 人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴をもち、現在は雑誌やサイトの栄養監修なども手掛ける。

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