発酵食ブームが続いていますが、日本が誇る発酵食品のひとつに納豆がありますよね。
この納豆、好き嫌いがはっきり分かれる食べ物ではありますが、食べるか食べないかで骨の健康状況に違いが出るかもしれないのです。
では、詳しくみていきましょう。
骨折と納豆の関係
骨がスカスカになってしまう骨粗しょう症になると、大腿(だいたい)骨の骨折が起こりやすくなります。大腿骨は足の付け根の股関節に接するため、骨折をすると寝たきりになりやすくなる骨です。
ある調査によると、中高年の大腿骨骨折は西日本で高く、北海道や東北地方で低い「西高東低」の傾向があるとのこと。都道府県の最大差は約2倍です。
この明らかな要因は不明とされていますが、その理由のひとつにビタミンKというビタミンが関係している可能性があるとされています。
東日本では納豆は好まれ、西日本ではあまり好まれませんよね。
ビタミンKはカルシウムを骨に取り込むために必要なのですが、このビタミンKは納豆に非常に多く含まれるのです。
別の調査では、ビタミンKの血中濃度は東日本で高く、ビタミンKを多く含む納豆の消費量が関係しているといった報告もあります。
つまり、納豆を食べる機会が多いと、骨折のリスクが低くなる可能性があるのです。
粒納豆とひきわり納豆の違い
納豆には粒納豆とひきわり納豆があります。この製造方法の違いをご存知ですか?
粒納豆は大豆を一粒ずつ発酵させますが、ひきわり納豆は大豆を砕いてから発酵させます。
これは、ビタミンK量の違いを生み出します。
ひきわり納豆の方が発酵させる総面積が広いので、発酵の過程でできるビタミンKが多くなるのです。ひきわり納豆のビタミンK量は、粒納豆の1.5倍以上。
成人の1日のビタミンK目安量は150㎍です。粒納豆1パック(40g)でも240㎍なので十分量とれますが、よりビタミンKをとりたいなら、ひきわり納豆のほうがおすすめになります。
かんたん骨太レシピ「油揚げの納豆ピザ」
骨を強くするためには、カルシウムだけでなくビタミンKもとれる食生活を心がけたいものです。
そこでおすすめなのが、カルシウムが豊富な油揚げとビタミンKが豊富なひきわり納豆を組み合わせた油揚げのピザです。
油揚げをピザ生地にしているので、糖質オフでもありますよ。
<油揚げのピザ>
・材料(作りやすい分量)
油揚げ 1枚
ひきわり納豆 1/2パック
ケチャップ 小さじ2
味噌 小さじ1/2
ピザ用チーズ 適量
・作り方
1.油揚げは4等分に切り、アルミホイルにのせる。
2.ケチャップと味噌を合わせたものを1にぬり、納豆をのせたらチーズをかけ、トースターで約5分焼く。
まとめ
高齢者の寝たきりになる原因のひとつが、骨折です。ある調査では、中高年の骨折は西日本で高く東日本で低いという報告があります。
東日本は納豆好きが多く、西日本では納豆嫌いの人が多いといわれますよね。納豆にはカルシウムを骨にくっつける働きをするビタミンKが非常に多く含まれており、このビタミンKの摂取量が影響を与えているのではないかとされています。
ちなみに粒納豆とひきわり納豆では、製造方法の違いから、ひきわり納豆の方がビタミンKを多く含みます。効率よくビタミンKをとりたいなら、ひきわり納豆のほうがおすすめですよ。
sazukaru代表。管理栄養士。 39歳で体外受精を経験し、40歳で第一子を出産。自身の経験から、不妊治療をされている方に向けた「授かるごはん」講座を主宰する。 人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴をもち、現在は雑誌やサイトの栄養監修なども手掛ける。